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WineにWindowsアプリをインストールする手順 メモ

登録日 :2025/05/27 04:54
カテゴリ :Linux

Wineで実行したいWindowsの.exeファイル(アプリケーション)は、通常、WineのPrefix(仮想Windows環境)の「Cドライブ」に相当するディレクトリにインストールされます。

詳細

Wineを使ってインストーラー(例:setup.exe)を起動すると、Windowsと同じようにインストールウィザードが表示され、インストール先を指定できます。

デフォルトでは、WineのPrefix(通常は~/.wine、またはWINEPREFIXで指定したディレクトリ)の中にある
drive_c/Program Files/
または
drive_c/Program Files (x86)/
などのフォルダにインストールされます


デフォルトPrefixの場合(~/.wine)

64bitアプリ:
~/.wine/drive_c/Program Files/アプリ名/

32bitアプリ:
~/.wine/drive_c/Program Files (x86)/アプリ名/

独自Prefixの場合(例:~/wineprefix32)

~/wineprefix32/drive_c/Program Files/アプリ名/

インストール手順イメージ

  1. exeファイル(インストーラー)をダウンロード

  2. ターミナルで

wine setup.exe

または

WINEPREFIX=~/wineprefix32 wine setup.exe

64ビットでインストールするには

WINEARCH=win64 WINEPREFIX=~/wineprefix64 wine setup.exe

または

WINEPREFIX=~/wineprefix64 wine setup.exe

※WINEARCH=win64は、Prefix(仮想Windows環境)を初めて作成する時だけ必要です。
すでに~/wineprefix64が64bit Prefixとして作成されていれば、以降はWINEPREFIX=~/wineprefix64 wine setup.exeだけでOKです
※~/wineprefix64 は、Wineのインストール先などを考慮する必要がなく、この書き方でOK
~/wineprefix64 は「Wineの仮想Windows環境(Prefix)」の保存場所を表しています。
これはWine本体のインストール先(例: /usr/bin/wine や /opt/wine)とは無関係です。
~/wineprefix64 のように、任意のディレクトリ名・パスでOKです(ユーザーのホームディレクトリ配下が一般的です)。

インストールウィザードで「C:\Program Files\アプリ名」などのフォルダが指定される(デフォルトのままでOK)

※Windowsアプリケーションの多くはインストールウィザード(セットアップ画面)を持っているため、Wineでインストール作業を行う場合はGUI環境(Xサーバなど)が必要です
Wineでwine setup.exeなどを実行すると、Windows同様のインストールウィザード(グラフィカルな画面)が表示されます。

この画面で「次へ」「同意する」などをクリックしながらインストール作業を進めます。
そのため、コマンドライン(CUI)環境だけではインストール作業ができません。

XサーバやWaylandなどのGUI環境が動作している必要があります。
SSH経由の場合はssh -X(X11転送)などでGUIを転送できますが、ローカルのXサーバが必要です。

補足

インストールせずに実行したい.exeがある場合は、どこに保存しても構いませんが、多くのWindowsアプリはインストール作業を必要とし、Wineの仮想Cドライブ(drive_c)配下に保存されます。

インストール後は、Wine Prefix内のdrive_c/Program Files/アプリ名/にある.exeをWineで実行します。

まとめ

WineでインストールしたWindowsアプリは、Prefix内の「drive_c/Program Files/」などに保存されます。

インストーラーを使わず直接.exeを実行したい場合は、任意の場所に保存してWineで実行できますが、アプリによっては仮想Cドライブ内に置いたほうが動作が安定します


アプリの実行

コマンドラインから実行

1.アプリのインストール場所を確認
通常、WineのPrefix(例:~/.wineや~/wineprefix64など)の中の
drive_c/Program Files/アプリ名/
または
drive_c/Program Files (x86)/アプリ名/
に実行ファイル(.exe)がインストールされています

2.ターミナルで実行

WINEPREFIX=~/wineprefix64 wine "C:\Program Files\YourApp\yourapp.exe"

または、パスをLinux形式で指定する場合:

WINEPREFIX=~/wineprefix64 wine ~/wineprefix64/drive_c/Program\ Files/YourApp/yourapp.exe

※WINEPREFIXは、Prefixを分けている場合のみ指定します

ファイルマネージャーから実行(GUI)

インストール先のdrive_c/Program Files/アプリ名/にある.exeファイルをファイルマネージャーで右クリックし、「Wine Windows Program Loaderで開く」を選択して実行できます。

Ubuntuなどでは、.exeファイルをダブルクリックでWine経由で起動できるように設定も可能です。

ショートカットの作成

デスクトップやメニューにショートカットを作成して、ダブルクリックで起動することもできます。

まとめ

コマンドラインまたはファイルマネージャーの右クリック/ダブルクリックで、Wine経由でWindowsアプリを実行できます。

実行ファイルの場所は、Wine Prefix内のdrive_c/Program Filesなどです