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WineHQ(LinuxでWindows用アプリを動かす)について

登録日 :2025/05/18 08:08
カテゴリ :Linux

Wineは、LinuxなどのUNIX系OS上でWindows用ソフトウェアを動かすための互換レイヤー(コンパチビリティレイヤー)です。
「Wine Is Not an Emulator(Wineはエミュレータではない)」の略称で、仮想マシンやエミュレータのようにWindows OS自体を再現するのではなく、WindowsのAPI呼び出しをLinuxのシステムコールにリアルタイムで変換します。

Wineの主な特徴

  • WindowsアプリケーションをLinuxやmacOS、BSDなどで動作可能にする
  • 仮想マシンやデュアルブート不要で、Windowsアプリを直接実行できる
  • Windows APIをPOSIX(LinuxなどのUNIX系OS標準API)に変換するため、高速かつ軽量(仮想マシンよりリソース消費が少ない)
  • オープンソースで開発されており、幅広いアプリやゲーム、業務ソフトに対応
  • すべてのWindowsアプリが動くわけではないが、動作実績はWine公式サイトのデータベースで検索可能

仕組み

WineはWindowsのAPI(アプリケーションがOSとやり取りするための命令)を、LinuxなどのネイティブAPIにその場で変換します。
仮想マシンのようにWindows OS全体を再現するわけではないため、パフォーマンスの低下が少なく、シームレスにLinux上でWindowsアプリを利用可能です。

代表的な用途

  • Windows向け業務ソフトやユーティリティの利用
  • Windows専用ゲームの実行(ValveのProtonもWineベース)
  • 古いWindowsアプリの資産活用

インストールと使い方(概要)

Wineのインストール

Ubuntu系:

sudo apt install wine

RHEL/Fedora系:

sudo dnf install wine

WineHQ公式リポジトリを追加すれば最新版も利用可

Windowsアプリの実行
.exeファイルを指定して実行

wine setup.exe

初回起動時にWineの初期設定が自動で行われる

Winetricksによる追加設定

必要に応じてDLLやフォント、ランタイムをインストールできる補助ツールも利用可能

注意点
  • すべてのWindowsアプリが完全に動作するわけではありません。動作状況はWine公式AppDBで検索できます。
  • アプリによっては追加設定やWinetricksの利用が必要な場合があります。
  • 安定性や互換性はWineのバージョンやLinuxディストリビューションによって異なります。

まとめ

Wineは、LinuxなどでWindowsアプリを直接動かすための高性能な互換レイヤーです。
仮想マシンよりも軽快に動作し、多くのWindowsアプリやゲームをLinux上で利用できるようにします