ThreadとQueueで並列処理をするのと、asyncioとはどちらが適しているか#2
| 登録日 | :2025/05/06 12:42 |
|---|---|
| カテゴリ | :Python基礎 |
ファイルサーバのバックアップをするプログラムを考えています。ネットワークは10GBの速度を確保していますが、ファイルサーバのIO律速で、書き込み速度としては200Mbps程度になりそうです。そのため、4つのThreadを立てたほうがいいのかなと考えていますが、この場合のasyncioの方が適しているでしょうか。
このケース(ファイルサーバのバックアップでI/O律速、書き込み速度200Mbps程度、ネットワークは10Gbps確保)では、asyncioよりもThread(スレッド)を使う方法がシンプルで適しています。
このケース(ファイルサーバのバックアップでI/O律速、書き込み速度200Mbps程度、ネットワークは10Gbps確保)では、asyncioよりもThread(スレッド)を使う方法がシンプルで適しています。
理由
I/O律速の場合、並列数を増やしても劇的な高速化は見込めません
ファイルサーバの書き込み速度がボトルネックなので、複数の処理を同時に走らせても、合計で200Mbps程度しか出ません。
Threadはシンプルに使える
PythonのスレッドはI/Oバウンド(=今回のようなディスク書き込みやネットワーク待ちが主な処理)には十分有効です。
4スレッド程度ならPythonのGILの影響もほとんどありません。
asyncioのメリットは「大量の同時I/O」や「高スケーラビリティ」
今回のように「律速要因が明確なI/O」「並列数が少ない」場合、asyncioを使っても大きな恩恵はありません。
コードが複雑になるだけで、体感速度はほぼ変わらないでしょう。
まとめ
4スレッド程度でバックアップ処理を並列化するのが最も現実的です。
asyncioは「数十〜数百のI/Oを同時に捌く」ケースや「ネットワーク遅延が律速」の場合に威力を発揮しますが、今回のような「ファイルI/Oが律速」「並列数が少ない」ケースではThreadで十分です。
結論:この用途ではThreadを使うのがシンプルでおすすめです。
もし「数百のバックアップを同時に走らせたい」など要件が変わる場合は、asyncioの検討も意味があります。
他にも設計や最適化について知りたいことがあればご質問ください。
ユーザ数が数百人います。本当は、数百のユーザのホームディレクトリを毎日バックアップを取りたいのですが、どうでしょうか。
このケース(帯域は10Gbpsだが、ファイルサーバのI/O制約で実効速度が200Mbps程度)では、asyncioよりもThread(スレッド)を使った並列処理が適しています。
理由
I/Oバウンドなタスクにはasyncioが有効とよく言われますが、ファイルI/Oの場合はPythonの標準ライブラリ(openやshutilなど)が非同期対応していないため、asyncioの恩恵を直接受けにくいです。
ThreadはPythonのI/Oバウンド処理(ファイルの読み書きやネットワーク送信など)ではGILの影響を受けず、複数スレッドで効率的に処理できます。
並列数が数個(例:4スレッド)程度であれば、スレッドのオーバーヘッドも小さく、実装もシンプルです。
asyncioを使う場合でも、結局ファイルI/O部分はThreadPoolExecutorなどでスレッド化する必要があり、Threadで直接書いた方が分かりやすいです。
まとめ
ファイルI/Oが律速で、並列数も数個程度なら、Thread+Queueで十分・効率的です。
asyncioは「非同期対応のI/Oライブラリが使える」「大量のネットワークI/Oを同時に捌く」場合に特に効果を発揮しますが、今回のような状況ではThreadの方が実用的です。
結論:この用途ではThreadが適しています。asyncioを使うメリットはほぼありません。
もし「数百のI/Oを同時に処理したい」「非同期対応のファイルI/Oライブラリがある」などの場合はasyncioも検討できますが、現状ではThreadで問題ありません。
数百人分のホームディレクトリを並行してバックアップする場合、PythonのThread(スレッド)を使った方が現実的かつ適しています。
理由
ファイルI/Oは通常、Pythonの標準ライブラリ(open, shutil, osなど)が非同期(asyncio)に対応していません。そのため、asyncioを使ってもファイルの読み書き部分は結局スレッドやプロセスで並列化する必要があります。
ThreadはI/Oバウンドな処理(ファイルの読み書きやネットワーク転送)でGILの影響を受けず、複数スレッドで効率的に動作します。
asyncioは大量のネットワークI/Oや非同期対応ライブラリを使う場合に強みがありますが、ファイルI/Oが律速の場合はThreadと比べて大きなメリットはありません。
Thread+Queueでワーカースレッドを管理する方法はシンプルで堅牢です。数百スレッドを一度に立てるのではなく、スレッドプール(例:10~20並列)で順次処理することで、リソースの枯渇やI/O競合も防げます。
まとめ
Thread(+Queue)でワーカープールを作り、複数のバックアップジョブを並行実行するのがベストプラクティスです。
asyncioはネットワークI/Oや非同期API利用時には有効ですが、ファイルI/O中心のバックアップ用途ではThreadの方が簡単で効果的です。
もし「ネットワーク越しに非同期対応APIでデータを取得する」などのケースであればasyncioも検討できますが、ホームディレクトリのバックアップ(ファイルI/O中心)ならThreadを選んでください。