KnowHow

技術的なメモを中心にまとめます。
検索にて調べることができます。

ANSYSモジュールファイルの設定方法例1

登録日 :2024/05/28 04:23
カテゴリ :SLURM

クラスター管理者がモジュールファイルを設定する際には、特定のソフトウェア(この場合、ANSYS)を使用するために必要な環境を定義するために様々な設定が含まれます。以下は、具体的な設定内容とその役割について説明します。

モジュールファイルの設定内容

ソフトウェアパスの設定:

ソフトウェアの実行ファイルやライブラリのパスを環境変数に追加します。これにより、ユーザーがソフトウェアを簡単に実行できるようになります。

setenv ANSYS_HOME /path/to/ansys
prepend-path PATH $env(ANSYS_HOME)/bin
prepend-path LD_LIBRARY_PATH $env(ANSYS_HOME)/lib

依存ライブラリの設定:

ANSYSが依存する他のライブラリやツールのパスを設定します。例えば、MPIや数学ライブラリなどです。

module load mpi
prepend-path LD_LIBRARY_PATH /path/to/dependent/library

ライセンスサーバの設定:

ANSYSのライセンスサーバ情報を環境変数として設定します。これにより、ソフトウェアが正しくライセンスサーバに接続できるようになります。
tcl
コードをコピーする
setenv ANSYSLMD_LICENSE_FILE 1055@license.server
特定の環境変数の設定:

ANSYSの動作に必要な特定の環境変数を設定します。これには、シミュレーションの設定や特定のハードウェアアクセラレーションの設定などが含まれます。

setenv ANSYS_TEMP_DIR /path/to/tempdir
setenv ANSYS_USE_GPU true

モジュールファイルの例

以下は、ANSYS用のモジュールファイルの簡単な例です:

#%Module1.0#####################################################################
##
## ANSYS module file
##
## 

proc ModulesHelp { } {
    puts stderr "This module loads ANSYS software."
}

module-whatis "Load ANSYS environment"

# Set ANSYS installation path
setenv ANSYS_HOME /opt/ansys/2024R1
prepend-path PATH $env(ANSYS_HOME)/bin
prepend-path LD_LIBRARY_PATH $env(ANSYS_HOME)/lib

# Load dependent modules
module load mpi/openmpi-x86_64

# Set license server information
setenv ANSYSLMD_LICENSE_FILE 1055@licenseserver.domain

# Additional environment settings
setenv ANSYS_TEMP_DIR /scratch/$USER/ansys_temp
setenv ANSYS_USE_GPU true

管理者による設定手順

モジュールファイルの作成:

管理者は、ソフトウェアのインストールディレクトリに基づいて、必要な設定を含むモジュールファイルを作成します。
モジュールファイルの配置:

作成したモジュールファイルをシステムのモジュールファイルディレクトリ(例:/usr/share/Modules/modulefiles/)に配置します。
モジュールシステムの更新:

新しいモジュールファイルが認識されるように、モジュールシステムを更新します。通常、これは自動的に行われますが、必要に応じて手動で再読み込みすることもあります。

まとめ

クラスター管理者がモジュールファイルを設定することで、ユーザーが簡単にソフトウェア環境をロードできるようになります。この設定には、ソフトウェアパス、依存ライブラリ、ライセンスサーバ情報、その他の必要な環境変数の設定が含まれます。管理者はこれらの設定を適切に行うことで、ユーザーが効率的にソフトウェアを利用できる環境を提供します。