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NUMAアーキテクチャとIntelCPUの違い

登録日 :2024/05/22 22:15
カテゴリ :SLURM

NUMAアーキテクチャと一般CPU(UMA)アーキテクチャの違いについて。

項目 NUMAアーキテクチャ Intel CPU(一般的な特徴)
メモリアクセス 各プロセッサが自身のローカルメモリに高速アクセス可能。リモートメモリアクセスは遅延が増加。 メモリアクセスはUMA(Uniform Memory Access)であることが多い。全てのメモリへのアクセス時間がほぼ一定。
メモリ構成 各ノードが独立したメモリを持つ。メモリは複数のノードに分散される。 単一の共有メモリを使用することが多い。
プロセッサノード 複数のプロセッサノードが存在し、各ノードは独自のメモリと接続される。 一般にUMA構成。全てのコアが共有メモリにアクセス。
メモリのレイテンシ ローカルメモリアクセスは低レイテンシ、リモートメモリアクセスは高レイテンシ。 メモリアクセスは一様なレイテンシ。
パフォーマンス 適切に設計されたアプリケーションでは高いスケーラビリティとパフォーマンスを発揮。 一定のパフォーマンス。スケーラビリティはNUMAに劣る場合がある。
コスト 高い(特に高性能NUMAシステムの場合)。 比較的低コスト(標準的なデスクトップやサーバーの場合)。
アプリケーションの最適化 NUMAアーキテクチャに最適化されたアプリケーションが必要。 一般的なアプリケーションは特別な最適化を必要としない。
使用例 高性能コンピューティング(HPC)、大規模データベースサーバーなど。 デスクトップPC、一般的なサーバー、ラップトップなど。
代表的な製品 AMD EPYC、IBM POWERシリーズ。 Intel Xeon、Intel Coreシリーズ。
インターコネクト 高速インターコネクトを使用(例:AMD Infinity Fabric)。 Intel UPI(Ultra Path Interconnect)など。
ソケット数 多ソケット(2ソケット以上)構成が多い。 多ソケットから単一ソケットまで。

補足説明

NUMAアーキテクチャ:

  • NUMAシステムでは、メモリが物理的に分散され、各プロセッサが専用のローカルメモリを持ちます。
  • これにより、メモリアクセスのスケーラビリティが向上しますが、リモートメモリアクセス時にはレイテンシが増加するため、メモリアクセスパターンの最適化が重要です。
  • 主に大規模なサーバーや高性能コンピューティング(HPC)環境で利用されます。

Intel CPU:

  • Intelの一般的なCPUアーキテクチャはUMA(Uniform Memory Access)に基づいており、すべてのプロセッサコアが均等にメモリにアクセスできます。
  • シンプルな設計で広範な用途に適しており、デスクトップPCからサーバー、ラップトップまで幅広く使用されています。
  • 近年のIntel CPUもNUMA的な特性を持つことがあり、特に多ソケットシステムではメモリアクセスのレイテンシが異なることがあります。